風の吹く町
ナツキが入ってくる。

「もう、相変わらずつれないなぁ。
ナオちゃん、変わったね。」

「何が言いたいんだ。」

「別に。
今のナオちゃんは、
あの街に居た時とは
違うなって思っただけ。」

「…それだけ
時が経ったって事だよ。
それより、用件は何だ。」

「あたしたち、ヨリ戻さない?」

「…冗談はよせ。」

「冗談なんか言ってない。
全部本気。
だって、ナオちゃん
一方的に別れようって
言って消えたじゃない。
あまりにも勝手すぎる。
あたしは一度も納得してない。」

「お前と俺は
もう関わらない、
そう約束しただろ?
あれで俺達は終わったんだ。」

「違う。
あれは…あれ以上
言い争いたくなかったから、つい。
心の奥ではいつまでも
ナオちゃんを思ってきた。」

「お前がどんなに俺を
思っても、もう
あの頃には戻れないんだ、
解ってくれ。」
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