風の吹く町
すると、ナツキが言った。

「それって…あの子がいるから?」

「可憐は関係ない。
手を出すな!」

「…へぇ、あの子
可憐ちゃんって言うの?
どんな手を使って
ナオちゃんをゲットしたのかしら。」

「やめろ、可憐を悪く言うな。」

「一度会ってお話してみたいものね。
それとも、
嫌がらせでもしてやろうかしら?」

その言葉に、ついに尚翔がキレた。

「いい加減にしろ!」

ナツキは、びっくりして目を見開いた。

付き合っていた頃の尚翔は、
ナツキに怒鳴ったり
しなかったから。

「…もう、いいわ。
やっぱりナオちゃん、変わった。
付き合いきれない。
明日、帰るよ。」

ナツキはドアを思い切り閉めると、
客間に戻って泣いた。

残された尚翔は、
深い溜め息をついた。
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