風の吹く町
翌日、ナツキは
本当に帰って行った。

もう未練は無いようで、
尚翔の叔母と別れを惜しんでいた。

尚翔はもう二度と
来ないで欲しいと思った。

電車に乗る前、
ナツキは尚翔に別れを告げた。

「…じゃあね。」

「さっさと行け。」

「ナオくん!
ナツキちゃんに何て事言うの!」

叔母が注意をした。

ナツキはそれを
笑顔で制し、言った。

「いいんです、あたし
彼に嫌われてますから。」

別に嫌いになった訳ではない。

しつこくて鬱陶しいから
早く帰って欲しかっただけだ。
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