風の吹く町
「…用って何?」

可憐は予めメールで
尚翔を呼び出しておいたのだ。

「あのね…
この間バレンタインだったじゃない?」

「あぁ。」

「受験と重なって
当日渡せなかったから、
終わってから七海と作ったの。
…食べてくれたら嬉しいな。」

可憐はそう言って、
綺麗にラッピングされた
小さな箱を尚翔に渡した。
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