風の吹く町
「かれ…」

何か言おうとした尚翔を遮って、
すかさず可憐は言葉を続けた。

「もしかして、
甘いの苦手だったかな?
どっちか解らなくて、
甘さは少し控えめにしてあるの。」

「…ありがとう、嬉しいよ。
甘いの嫌いじゃないし、
本当に嬉しい。
受験で大変だったのに、
わざわざ作ってくれてありがとう。」

「良かったぁ。
ね、食べてみて。」

「いただきます。」

尚翔は包みを開け、
チョコを1つ口に入れた。
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