風の吹く町
卒業式が終わって、外に出た。

尚翔はこの学校に
たった半年ほどしか居なかったが、
毎日が楽しく、充実していた。

頼もしい仲間と
可愛い恋人も手に入れた。

笑い、泣き、傷つき、
怒ったり、怒られたり…。

その全ての日々が、
尚翔にとっては宝物だった。

(俺、この街に来て良かった…。)

そう思えた。

きっとこの環境や
友達や恋人は、
天国の両親が
プレゼントしてくれたのだ。

そう考えると、
感謝せずにはいられなかった。

「ありがとう…。
父さん、母さん。」

尚翔は空を見て呟いた。
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