エージェント・レイ‐狂人の島‐
こうして、後に『島民暴徒化事件』と呼ばれる類を見ない大規模テロの幕は閉じた。

俺とアシュリーはヘリに乗り、無事アメリカ本国へと帰還する。

生きながらにして地獄に堕ちたかのような忌まわしい島での事件は、ようやく終わったのである。

…疲労でぐったりとしながら、それでも安堵の表情を見せるアシュリーを見ながら、俺は心から安心していた。

この歳若い娘が、想像以上に強靭な精神の持ち主であって本当によかった。

心の傷は負っているだろうが、それを感じさせない自然な強さが彼女にはあった。

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