エージェント・レイ‐狂人の島‐
全く…さっきテロリストに拉致された大物議員の救出任務が終わったばかりだってのに。

合衆国エージェントといえばスマートでスタイリッシュな印象も受けるが、その実、仕事は泥臭い兵士と同じだった。

俺は渋い顔でパックを膝の上に置く。

「で?次の任務は?」

一つ溜息をつき、嫌味のつもりで言ったのだが、ケリガン女史の鉄面皮は相変わらずだった。

「エージェント、レイ・マードックには、ヨーロッパのとある孤島へと向かってもらいます」

やれやれ…今度は長時間のフライトか。

エコノミー症候群が心配だった。





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