エージェント・レイ‐狂人の島‐
「だ…誰かいますか…?」

恐る恐る声をかけてみる。

すると。

「い…生き残りがいるのか…まともな人間がいるのか…?」

息絶え絶えながらも、しっかりと自我を保った返事が返ってきた。

その事に涙が出そうになる。

正常な人がいた!

「どこ?どこにいますか?」

「ご…ゴミ箱…ポリバケツの陰だ…」

言われるままに、路地に置いてある、ゴミを入れた青いポリバケツの陰を探すと。

「!!」

いた。

ポリバケツにもたれ掛かり、横たわって息を荒くする髭面の中年男性。

しかし…。

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