エージェント・レイ‐狂人の島‐
涙を浮かべたまま、私は彼の両手を胸の上で合わせる。

こうして看取ったのも何かの縁。

せめて安らかに眠れますように…。

私は静かに立ち上がり、周囲を確認した後、再び歩き出す。

彼は重要な情報を教えてくれた。

島の人達は、地下水を飲んだ事で暴徒化した。

ならば井戸に何らかの秘密がある筈だ。

井戸。

井戸を探せば、何かが分かるかもしれない。

あわよくば、島の人達を元に戻すきっかけがつかめるかもしれない。


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