エージェント・レイ‐狂人の島‐
昔と変わらない路地。

ならば、記憶が確かなら。

街が変わっていなければ。

時折聞こえてくる暴徒達の唸り声を警戒しつつ、私は記憶通りに細い道を辿り。

「…あった」

やっとメインストリートへと続く一本道へと出た。

少しだけ顔を覗かせ、暴徒達が付近にいない事を確認する。

そう、この道に出たかったのだ。

私はやっと細い路地から抜け出し、足音をさせないように小走りに走る。

この一本道。

ここを真っ直ぐに行くと。

「見つけた…」

この島に唯一の警察署があった。

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