エージェント・レイ‐狂人の島‐
外から誰かが警察署に入ってきた?

私以外に誰かがここに来た?

しかもそれは。

「っっっっっっ!」

右手にオートマチックの拳銃を握り締めた若い男性だった。

茶色い革ジャンを着た、栗色の短髪の男性。

…こんな時だというのに、私はすぐに思い出せていた。

この男性は、島に来る時に私と一緒に定期船に乗っていた、あの男性だ。

生きていたの?

というか…彼は正常なの…?

疑念に駆られる私の顔を、男性は一瞥した。

そして見るなり何も言わず。

「!!!!」

手にした拳銃、その銃口を向ける!

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