エージェント・レイ‐狂人の島‐
必要な武器を入手して、レイと私は武器保管庫を出ようとする。

と。

「!」

警察署の入り口の方で、窓の割れるような音がした。

同時に大勢が入ってくるような複数の足音。

「暴徒達が署に入り込んできたらしいな」

あくまで冷静なまま、レイが呟く。

私は気が気じゃない。

たった一人でも、何発も撃たないと倒れない暴徒が、大勢で侵入してきたなんて…。

いくらレイが戦闘のプロでも、対処しきれない。

「こっちだ」

彼は動揺する私の手を引いて、武器保管庫を出た。

「どこかに裏口がある筈だ。そこから出る」


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