【連作】そらにかなでし〜平安朝禁断恋草紙②〜
わけても、先だって裳着をおすませになられた一の姫のお美しさ、奏でる琴の音の素晴らしさは、ひときわ優れたるものとして、都人の噂にのぼらぬ日はございません。

数多の殿上人が我こそ、と、かの姫のもとへと忍んでいかれます。

そうはいえども、うら若き左大臣の姫のこと、やすやすと近づくことのできるはずもありません。
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