【連作】そらにかなでし〜平安朝禁断恋草紙②〜
この夜も、月が清かに左大臣邸を照らしておりました。

降ろされた御簾の内から漏れる明かりを遮って、一の姫の陰が静かに動く様を、みるともなしに横目にごらんになりながら、宿居なさるのは、一の君そのひとでございます。
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