そのコップは空(ソラ)だった。
彼は私に寄り添い、一緒に空を見つめる。
「俺、お前が言ってる通り、理解できてないのかもしれない…。
だからさ、ちゃんと理解できるようになってみたい。」
淡々と語る黒住くん。
その声はいつになく真面目な声だった。
すると、急に視界が広くなる。
顔を隠していた私の手を持つ彼の笑顔が見える。
「お前、泣き顔ブッサイクー。」
「なっ…!?」
私も起き上がる。
私を見て彼は無邪気な笑顔で言った。
「俺、お前の相棒だもんなー。頑張んなきゃ。」
「相棒?」
「風紀委員の。」