そのコップは空(ソラ)だった。
付き合うってこと。
「英語のノートかーしーてー♪」
休み時間、彼がニコニコと私に笑いかける。
彼の名前は黒住文也。
私の憧れであり、私と同じ風紀委員です。
「えっと…はい…」
私はバッグの中からノートを出し、渡した。
「サンキュッ!」
ノートを手に持ち自分のノートに物凄い早さで写し出す。
すごい…慣れてる…。
「ほい!サンキュー!助かった!」
「和訳…合ってるか分かんないよ…?」
「あー、いいって。訳されてればいいんだから。それにお前なら大丈夫だろ。」
買い被りすぎだよ、黒住くん。
でも、人に頼られるのって必要とされているようで嬉しい。