そのコップは空(ソラ)だった。



すると女子と目があってしまった。



「須川…」


振り返った黒住君も私に気づく。



どうしよう…私のせいで…



「お前…ただクラスメートでそこまで怒るか?って聞いたよな?」


黒住君は私の肩を抱き、女子を睨む。


えっ…あれ…?…え…?



「俺とこいつ、実は付き合っているって言ったら文句ねぇだろ?」



え・・・!!??



女子は驚いた顔で涙を滲み出し走り去っていった。



「えっ…あっ…えっ…?!」


驚く私をお構いなしに黒住君は私に英語のノートを渡した。



「はい♪あいつから取り返した!」


「えっ…あ…ありがとう…でも…それより…」



素直に受け取る私に黒住君は笑って頭を撫でた。


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