そのコップは空(ソラ)だった。



「勢い余って言っちゃったけど…いつも通りでいいからな?


なんかわりぃ…。」



謝る黒住君に私はかぶりを振った。


でも…付き合うって…付き合うって…



「あっ!やべっ!俺、掃除サボったから担任に呼び出しくらってんだった!!


ちょっくら行ってくるわ!また明日!」



去っていく黒住君。


私はポツリ、手に英語のノートを持ったまま取り残されてしまった。




付き合う…


黒住君と…付き合う…



頭の中がぐらぐらして


私は速足で学校を後にした。








< 112 / 258 >

この作品をシェア

pagetop