そのコップは空(ソラ)だった。
「へぇ…付き合うことになったのか。
良かったじゃん!」
会長はニコニコとして言う。
「っでっでも…私…人と交際するなんて初めてだし…
まさか憧れの人が恋人になるなんて…」
うううう…
怖くなって私は生徒会室にあるクッションを抱きしめる。
「喜ばしいことじゃん♪」
「でも…」
憧れの人の彼女が私だなんていいの?
あり得ない…あり得ないよぉ…。
「今日はどうだったんだ?」
「今日は…ちゃんと会話できましたが…
うまく顔を見られなくって…」
黒住君はいつものように私に笑いかけてくれた。
黒住君は緊張とかしないのかな?
私相手だから…緊張なんてしないよね…。