そのコップは空(ソラ)だった。



でも、なんて言えばいいのか分かんない。



「なぁ…」


黒住君は寝返りし、私を見る。



「俺さ、お前が見てる世界を見れるように頑張るって言ったけど


お前が何か言ってくれないと分からないものは分からないんだよ。」



「・・・・・。」



言わなきゃ。


彼に


伝えなきゃ・・・。




「吐いちゃった・・・。」



ポツリと言った言葉に黒住君は"へ?"とポカンと口を開ける。


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