そのコップは空(ソラ)だった。
あれ…まずいところ見ちゃったのかな…?
すると、男子と目があってしまった。
「あっ!優子ちゃん!」
男子はニコッと笑う。
雅治くん・・・。
幼馴染で私の初恋の相手。
その想いは遠い過去に埋もれてしまったけど。
「久しぶり…。」
私はペコリと挨拶をする。
「さっきの子…平気?」
「あっ、咲?平気だよ。」
フフッと笑うその笑顔は変わりなかった。
「あっ、私…これで…。」
何慌ててんだろう。
彼に久しぶりに逢ったからかな?
想いを伝わらずに終わってしまった恋。
「僕もお暇しようかな。」
っと席を立つ。
私と雅治君は一緒に校門へ向かった。