そのコップは空(ソラ)だった。



「ちっ…ちがっ…」


想いもしない返答に戸惑うが彼は冷静な口調で言った。



「お前に好きな人が出来たら…応援するよ」



「・・・・。


いえ…私は…見てるだけで十分です…」



いつもそうしてきたから。



「見てるだけで…幸せなんです…


その人と関わらなくても…喋らなくても…満足なんです…」



「俺は…もしお前に好きな人ができたら…勇気を出してほしい」


「え…」



丁寧な口調。


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