そのコップは空(ソラ)だった。
「俺んちの近くにすんげぇ寝心地が良い公園があるんだよ。
俺、そこの昇り山の桜の木の下で星を見るのが好き♪」
「ロマンチック・・・。」
「だろ?今度、見せてやるよ。」
「えっ…?」
「約束ー!俺はお前みたいにすっぽかさないからな♪」
「えっ…あっ…ごめんなさい…。」
「気にすんなって!」
「・・・・・。」
「だーかーらー!」
黒住君は紙コップを口から離す。
ムスッとした顔。