そのコップは空(ソラ)だった。



「いやぁ~!楽しかったぜぇ~!


今日はありがとうな!」



すっかり暗くなってしまった。



彼女はニヒヒッと笑ってこう言った。



「お礼にチューしてやろうか?」


「あ?」



何言ってんだ、こいつ。




「お前がしたいんじゃないのか?」


「うん、そうだな。してみたい♪」



なんでこんなさらっと言えるんだよ。




「危機感あるんだろ?」


「何に対して?」


「もぅ高2なのに男とキスもした事ないってことに。」


すると杉浦は意味が分かってないようにマヌケな顔になる。



「はぁ?何言ってんだお前。


危機感って…人生これからだぜ?


これぐらいの年で危機感感じるのって100年はえぇよ。」



逆に100年経ったら遅すぎだろ。



なんだよ、こいつソラと一緒で危機感を感じてたんじゃないのかよ。


てか・・・ソラは危機感を感じてたのか・・・?




「好奇心だ☆」



彼女はきっぱり言った。



「はぁ?」


「キスする事に、好奇心があるんだよ。」


おいおい


好奇心でファーストキス終わらせていいのかよ。



それじゃあ、ソラに怒られるぞ。



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