そのコップは空(ソラ)だった。
彼は下を向いたまま…低い声で言った。
「お前には関係ねぇよ。」
やっぱり・・・。
その冷たい言葉に私の胸がずきずき痛みだす。
「でも…私…」
言葉が出ない。
こういうときなんて言えばいいんだろう。
分かんない…。
私は黙ったままでいると彼は紙コップを地面に置いて立ちあがった。
「えっ…待って…。」
「ごめん…。」
去っていく彼。
私は彼を追いかけることが出来なかった。
私は彼にかけてあげる言葉がないのだろうか…?