そのコップは空(ソラ)だった。
分からない。
無知で世間が狭い私には分からない。
「優子ちゃんが悲しい顔しないで。」
雅治君は私に微笑みかける。
その目の奥は悲しみに包まれているように見える。
「楽しい話しよう♪」
彼は笑う。
「え?」
「優子ちゃんって黒住君と付き合ってるの?」
急に私の話に変わり戸惑う。
「えっ…つっ付きあってないよ・・・。」
「そうなの?仲いいのに。」
私は首を振る。
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