そのコップは空(ソラ)だった。
「今日、私がお節介なことしちゃって嫌われちゃった。」
「へ?優子ちゃんがお節介なこと?」
聞き返す彼に私はまたうなずく。
「珍しいね。優子ちゃんが。」
そうなのかな…珍しい…?
「優子ちゃんにとっては良いことだと思うよ。」
私にとっては良いこと…だけど彼にとっては…
「大丈夫。優子ちゃんなら…ほら、胸を張って!」
どんっと背中を叩かれる。
前に出た私は誰かにぶつかった。
「すっすいません…!!」
その誰かとは…
真剣な眼差しで見る黒住君だった。