そのコップは空(ソラ)だった。
雅治君が去っていき
私たちは押し黙ったまま立っていた。
「雅治と…なんなんだよ?」
彼は下を向いたまま言う。
「幼馴染…だよ。」
それからまた沈黙。
「お前、俺と居る時より顔が和らいでた。」
「へ…?」
「俺と居る時は…緊張してる感じだったけど…
あいつと居ると肩の力を抜いていた。
それってどういうことだよ?」
分からないよ。
私だって今言われて初めて知ったんだから。