そのコップは空(ソラ)だった。
「なぁ…俺…どうすればいいんだよ…。」
顔を上げる黒住君の顔は悔しそうな顔だった。
「俺、これでもお前のこと分かろうと努力してんだ。
お前と同じ目線でものが見えるように…
だけどわかんねぇよ。お前の気持ちがわかんねぇ…。」
唇をかみしめる黒住君は涙目だった。
「なんで俺とはちゃんと会話してくれねぇんだ…。」
ちゃんと会話してるつもりだよ。
だけど君は私の中で大きすぎてちょっと緊張してしまうだけ。
私もどうすればいいのか分からない。
それを悟るように空は雨を流した。