そのコップは空(ソラ)だった。
人は人の温かさに触れると
欲望に気付いてしまう。
それを恋というのでしょうか…?
朝起きるとふと気づく。
私…男の人に抱きしめられちゃったんだぁ…
手に持つ枕をギュッとしてみる。
温かくて大きくて…私を包んでくれた…。
そのぬくもりが愛らしい。
「って…欲求不満じゃない…。」
呟いて恥ずかしくなる。
私は身支度を済ませ家を出た。
「あっ。」
今日は学校朝会がある日だ。
きっと屋上で寝ている黒住君は
知らないだろうから教えてあげよう。
私は速足で屋上に向かった。