そのコップは空(ソラ)だった。


私は彼を引っ張り起こして

全校朝会が行われる体育館へ行った。


「いーじゃん、朝会なんて出なくってー。」


「ダメだよ!」


黒住君は面倒くさそうにあくびをする。


朝会はもう始まっていて

私たちは集まる生徒の一番後ろに並んだ。


「お前、ステージ見えなくね?」


「うん…見えない」


人の背中でステージで喋る校長先生の顔が見えない。



「肩車する?」


「いや…いいよ。

恥ずかしいし…。」


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