そのコップは空(ソラ)だった。
GYUTTO
「うわあ~!!」
こいつ毎回のように発狂するからうざい。
それは下品女こと杉浦佑香。
ルックスは最高なんだけどな。
俺は俺のお飾りにするため
こいつをカノジョにした。
しかし、振り回されっぱなしだ。
「なぁなぁ!!順番間違えちまったよぉ!!」
彼女は少女マンガを手にして俺に訴える。
「なんだよ?」
なんかしんねぇけど
頑張ってカレカノらしくしようとしているらしい。
最近、古本屋で買った少女マンガを彼女は読んでいる。
「キスする前にまずは手を握るんだった!!」
周りが俺たちを見る。
ここは教室だ。
「お前、もぅちょっと音量下げろっ。」
そう言ったって下げられる女じゃない。
俺はこいつの細い腕を引っ張り教室を駆けだした。