そのコップは空(ソラ)だった。
「なぁ?」
走ってる最中、
杉浦は何回も俺を呼んだ。
でも、俺は無視をした。
すると、杉浦は俺の腕を振り払い
その代わり
俺の手をギュっと握った。
指と指と交互に絡めるカップルつなぎで。
「これだよこれ!!」
杉浦の目が嬉しそうに輝く。
お前はそれでいいのかよ。
「おっ!ヒューヒュー!!
廊下の真ん中で手を繋いじゃって!!」
「お熱いねぇ~。
まさか噂が本当だったとは~。」
周りの奴らが冷やかす。
俺はこれが嫌いなんだ。
手を離し、俺は先を歩いた。
さっきの奴らは後ろから
「おっ?修羅場か~?」
とまだからかっている。