そのコップは空(ソラ)だった。


「一度や二度、失敗したって気にしない。最後まで言えればいいんだ。


今まで練習してきただろ?」



彼の問いかけに下唇を噛み締め大きくうなずく。



「じゃあ平気」


彼はいつもの無邪気な笑顔で笑った。





「では須川優子さん、お願いします」


マイク越しの生徒会長に呼ばれる。


「はい!」


私はステージに上がった。



「須川!」


彼は私の手をつかみ、もう片方の手で私の額にデコピンをした。


「いったぁー!!!」

「おまじない♪」


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