そのコップは空(ソラ)だった。


顔が自然と下を向いてしまい、口が動こうとしない。


もう…消えてしまいたい。



こんなこと引き受けなきゃよかった…。







「頑張れ!」



群衆から声が聞こえた。


顔を上げると「頑張れ!」と二人組の女子が私に声援を送ってくれた。



目玉焼きの事でケンカしてた二人だ。


「ファイトー!」


今度は男子が言ってくれる。


その声援は次第に大きくなる。


皆…聞いててくれたんだ…。


「私は…まだまだ未熟者です」


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