そのコップは空(ソラ)だった。
ステージを会長と入れ替わる際、
会長に「頑張ったな」と頭を撫でられた。
その瞬間、緊張がほぐれ目から大粒の涙が流れた。
「須川!」
舞台裏では黒住くんが思いっきり抱き締めてくれて私は力が抜ける。
「出来たじゃん!ほら!良かったぁ~!」
「ありがとう…」
私はその一言しか言えないほど気力がなかった。
とりあえず、パイプ椅子に座ることに。
「もう大丈夫だな」彼は隣に座って微笑む。