そのコップは空(ソラ)だった。


そうだったの!?


私はとっさに彼を見る。


彼は眉間に皺を寄せていた。


「すいません。それは私の責任です」



横から割ってきたのは私たちの担任の斉藤先生だった。


「全く…斉藤くんは何をやっているのかね…」


「すいません。私の注意不足です」


斉藤先生は校長先生に向かって頭を下げる。



そんな姿を見ていたたまれない気持ちになった。



すると彼が急に立ち上がった。


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