そのコップは空(ソラ)だった。


「お前が副会長として頑張れば」


彼の気持ちは変わらなかった。



「これからどうするの?」


「就職する」


その言葉に彼と私の境界線を感じた。


彼はまた私と違う世界に行ってしまう。



「俺、お前のおかげで無理だと思っていた面接に受かったんだ…」



“お前のおかげ”普通だったら喜ぶはずなのに


いじけている私は彼の笑顔を素直に受け取れない。



私と離れてつらくはないの?―。



それはただのエゴだ。


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