そのコップは空(ソラ)だった。



「募金活動にご協力お願いします…!!」


関心なく通り過ぎる生徒もいた。


その中に一人、こちらを睨む者もいた。



黒色のストレート、背の高い女子。


私の英語のノートの事で黒住くんともめた女子だ。



どう見ても私の事を睨んでいる。


うう…私はたじろいだ。


小心者の私が出てきてしまう。



「優子ちゃんどうしたの?」


固まっている私に左にいた雅治くんが心配して話しかける。


「ううん、大丈夫」


「味方ができりゃ敵もできるんだからな」


右にいる会長が慰めの言葉をかけてくれた。


そうだ…目立った分、敵が出来てしまう。


それを防ぐため私は極力、目立つ事を避けた。


しかし、今の私は闘わなくては。



私ひとりでは弱いけど今は会長や雅治くんがいる。


そして黒住くんもきっと……。


< 251 / 258 >

この作品をシェア

pagetop