そのコップは空(ソラ)だった。
「募金活動にご協力お願いします…!!」
関心なく通り過ぎる生徒もいた。
その中に一人、こちらを睨む者もいた。
黒色のストレート、背の高い女子。
私の英語のノートの事で黒住くんともめた女子だ。
どう見ても私の事を睨んでいる。
うう…私はたじろいだ。
小心者の私が出てきてしまう。
「優子ちゃんどうしたの?」
固まっている私に左にいた雅治くんが心配して話しかける。
「ううん、大丈夫」
「味方ができりゃ敵もできるんだからな」
右にいる会長が慰めの言葉をかけてくれた。
そうだ…目立った分、敵が出来てしまう。
それを防ぐため私は極力、目立つ事を避けた。
しかし、今の私は闘わなくては。
私ひとりでは弱いけど今は会長や雅治くんがいる。
そして黒住くんもきっと……。