そのコップは空(ソラ)だった。
俺はルームを飛び出し
隣のルームに入った。
男は杉浦の服をつかみ
杉浦の上に乗っかっていた。
「こいつから離れろ!!」
俺は男をどかして杉浦を立たせた。
「これ着てろ…」
俺は自分が着てたブレザーを
服が肌蹴た杉浦に着させる。
「なんでお前がいるんだよ!?
別れたんだろ!!」
男が吠える。
ほら、男は狼なんだ。
「お前…ずっとこの女を遊んでいたんだろう?
俺はずっとこの女が欲しかった。
自分のモノにしたかった。
だから、俺は"外見を気にしない硬派なフリ"をして
この女に近づきこの女を食するつもりだった。
まんまとこの女は引っかかったよ。」
ヒヒッと下品に笑う男。
「少しくらいいいじゃねぇかよぉ…。
お前は思う存分、その女を楽しんだんだろう?
だったら今度は俺にくれよぉ…。
俺にも味わせてくれよぉ…。」
男は呟くように喋る。
もぅ盗聴器で聞いた声とは違う
マヌケな声だ。