そのコップは空(ソラ)だった。
「怖かった…。」
空は薄暗くその下にある小さな公園のベンチで座ると
杉浦はぽつりと言った。
「怖いよ…男が怖い…。」
彼女にとって刺激が強すぎた。
「男はみんな…あんなふうになるの?」
「ああ。」
「あんたも・・・?」
「・・・。」
返答に困った。
"そうだ"と言うつもりだったけど
そう言ったらこいつはどっか行ってしまいそうで。
「お前がしたいって言うまで襲わない。」
自分でもびっくりした。
自分の口から出た言葉とは思えない。
いつも本能のままに動いてた俺が
我慢するような言葉を?