そのコップは空(ソラ)だった。
「ほんと?」
杉浦は控えめに聞く。
でも、我慢しなきゃ
こいつはどっかに行ってしまう。
もしかしたら、もぅ恋愛なんてしないなんて言ってしまいそう。
そうなのはどうだっていいけど
・・・いや、よくないのかもしれない。
自分がしたい事がよく分かんない。
なんで・・・俺・・・
相手を思いやりようなことしてんだ?
「ああ。約束する。」
あぁ・・・ついに言ってしまった。
俺、我慢できんのかな?
男って狼じゃん。
狩りして自分の存在を主張する生き物じゃん。
それを…その本能を…押さえつける事が出来んのか?
「お前って意外と良い奴だな。」
杉浦は涙目で微笑む。
でも、こいつの頼みだったら
そんなことお茶の子さいさいって
こいつのはにかむ顔を見ながら思ってしまった。