そのコップは空(ソラ)だった。





「・・・ごめん。



俺・・・やっぱりお前が必要だ・・・。」



待ってるって…。



言われると思わなかった。




今までひどい事ばっかりして



サイテーな形で別れて




なのに待っているって



このサイテーな俺を持っているって。








『ほんと…?ありがとう』



お前は待ってなくていいんだよ。




「家、他に誰かいる?」



『ううん、あたしだけ。』



「じゃあ、行く。」



『え?』



「今からお前んち行く。」





今すぐ会いたい。



俺の泣き顔見られちゃうけど


会いたい。



抱きしめたい。



ソラの体温を感じて


今までのキュッと胸を締め付ける気持ちを取り戻したい。




失くしたものをまた


そっとすくいあげたい。






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