そのコップは空(ソラ)だった。
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「なぁ?
今までどれくらい付き合ってきた?」
昼休み、冷やかしを避けるため
杉浦と屋上で昼食を取った。
「そんな事もマニュアル(少女マンガ)に
載ってんのかよ。」
「違う。これはあたしの独断だ。」
俺は呆れてため息をつく。
「過去を話して俺にどんなメリットがあるんだ。
デメリットすぎる。」
「あたしには少なくともメリットがあるはずだ。」
「俺の過去を知ってどうする?」
「どうもしない。」
「じゃあ、知らなくていいだろっ。」
「知っておきたい。」
まったく頑固な奴だ。
「まずはお互いの事を知らなきゃ。」
こいつ思いっきり少女マンガ中毒になってる。
「俺はお前と分かち合う気なんてねぇよ。」
そう言ってiPodを聴く。
すると、杉浦は俺の耳から
イヤホンを抜き
大声で言った。
「あたしの話を聞け!」
「知らねぇよ!数えた事なんてねぇ!」
俺は聞こえているのも承知のくせに大声を出した。