そのコップは空(ソラ)だった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
「はぁ…。」
あいつの事を思い出すといつもため息が出る。
俺、まだ未練があるんだな…って。
もぅ3年経つんだぞ。
「幸せもーらいっ♪」
隣の奴がぱくっと宙を食べる。
さっきの下品に寝てた女だ。
「ため息すると幸せ逃げるんだぜ?」
女は意味なく胸を張って言った。
「それ小学生が言うセリフだから。」
呆れながら俺は言う。
ほんとはほっとけばいいんだけど
こいつはなぜか俺に絡んでくる。
「ん?まぁ、あたしには
小学生の二人の弟が居るからな!
二人とも野球少年なんだぞぉ。」
そう言ってバットを振るふりをする。
小学生と同レベルかよ。
まぁ、あいつも変わりないけど。
俺はこのあとの会話を拒否するように
i-Podのイヤホンを耳にはめた。
「なぁーそういやさー…」
女は俺がi-Podの電源を入れる前に
話しかけ始めた。
でも、俺は聞く気がなかったので
電源を押して音楽を聴き始めた。
「・・・・んだよ~。」
前奏の音が小さくなった部分で女の声が聴こえた。
何を言ってたのか分からないけど。