そのコップは空(ソラ)だった。
「じゃあ、高校に入ってから付き合った奴は?」
「・・・居ねぇ。」
杉浦が一瞬止まる。
「うそだぁー!!!!??」
「本当だから。」
「べつにあたしのこと心配しなくていいよ?!
元カノなんかに嫉妬しないから!!」
「心配してねぇよ!!事実を言ったまでだ!!」
"ええ?!"と険しい顔をする杉浦。
「もしかして…中学で最後に付き合ったやつが
あんたのドストライクだったり…?!」
「それはないな。」
確かにソラは俺のストライクの中に
ギリギリ入っていた。
でも、カノジョを"お飾り"としてしか
見ない俺は彼女の外見はあまりストライクでなかった。
それなのに今はなぜ
彼女の全てが愛しく感じるのだろうか…。