そのコップは空(ソラ)だった。







「あっ、いや…べつに付き合ってねぇし。」


「何それ…。ひどい…。もぅ知らない!!」



電話を思いっきり切られた。



勘違いすんなよ、俺はお前の事をどうも思ってない。



優しくしたのを勘違いして


その誤解を解くと夢から覚めたように


怒鳴り散らして人のせいにする。



自分だけがその気でいただけだろ。





女は自分勝手だ。



あいつもそうだ。



意味わかんねぇよ。




「おっ、また女をフッたのか。」


教室での女がひょこっと横に顔を出す。



「お前、ストーカーかよ。」


ここはファーストフード店。



「ちげぇーよ、今日はアップルパイが50円なんだぜ?


これを買わなきゃ人生損だぜ☆」



なぜこいつはあいつと似てる事を言うんだ。


まったく俺の周りはケチケチした奴ばっかりだ。




「つか、あんた、あたしと居て平気なのか?」



あ?なんだよ、お前から近寄って来たんじゃん。



「また噂になるぞ?」



「・・・ウワサ?」






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