そのコップは空(ソラ)だった。
「黒住、おはよう。」
「ふぁ~、はよございまーすっ。」
先生からのあいさつにあくび交じりの返事をする。
「それで黒住、さっそくだが風紀委員に入ってみないか?」
「えー俺、委員会とかかったるーい。」
やっと起きたと思ったら黒住くんはまた机に体をよりかける。
先生は諦めずに声を掛ける。
「お前、無遅刻無早退無欠席だろ?」
「うーん。勉強できないからねー。」
目を虚ろにして寝ぼけた声で答える黒住くん。