そのコップは空(ソラ)だった。
…すごい。
さすが黒住くん…。
「…っせぇな!」
「うるせぇのはお前だろ!分かれよ!」
あっちのほうで二人の女子が口喧嘩している。
今度は私が…頑張んなきゃ…!
「あっ…あの…」
声をかけるが私の声は二人に届いていない。
頑張れ…私…。
「あの…喧嘩は…やめてくださいっ…!」
「何よ!あんた!ちょっと黙ってて!」
「…はぃ。」
ダメだ…私に仲裁なんか出来ないよ…。
しょんぼりしている私を通りすぎて黒住くんは二人の女子の所に来て立ち止まる。
「まーた、お前らケンカしてんのー?」
黒住くんの声に一斉に睨み返す二人。
怖いです…。